鮨屋やこだわりのある職人さんが、魚を捌く時には鋼製の包丁を使います。

これはステンレス包丁は切れ味が悪い。

包丁に魚の匂いや旨味が移るなどと言われているから。

しかしながら家庭で魚を捌くのなら、断然ステンレス包丁の方が扱いやすいのでおすすめ!

その中でも安価だけどある程度の切れ味を求めるならV金10号割込包丁が私のイチオシです。

その理由とは…




私が鋼包丁からステンレス包丁に買い替えた理由

数年前までは、包丁は絶対鋼製!

今度は土佐包丁のあれが欲しいとか言っていたのですが

全ての包丁を鋼製から

鋼製の包丁

ステンレス製に買い替えました。

ステンレス包丁

切れないと言われるステンレス包丁ですが、どの包丁も定期的に刃を研がなければ一緒!

すぐに切れなくなります。

厳密には同じ砥石で同じ研ぎをした場合には、鋼の方が切れますが家庭で使うにはステンレスで十分。

一日何十匹の魚を捌く訳でもありませんし…

また購入後に切れ味に満足できなくなったら、その時にまた買い替えを検討すればいいかと。

鋼の包丁は必ず拭いてから片付けなければ錆びてしまいます。

分かってはいますが、ついつい忘れるんですよね~。

釣りから帰ってロッドとリールとかを洗ってから、魚を捌きお風呂に入ってから包丁の片付け…

これ結構面倒なんです。

ステンレスの包丁に替えてからは、そのような事は気にしなくてよくなりノンストレス。

魚を捌く包丁の種類やその特徴

出刃包丁

藤寅作小出刃包丁

魚を捌く時には小出刃や出刃包丁を真っ先に思い浮かべる方が多いと思います。

小出刃包丁は100mm程度

刃渡りは150~240mm程度

刃幅が広く厚みがあるため、魚の骨や皮を切るのに適しています。

また重みもあるため、硬い魚の頭なども力強く割る切ることができます。

私はですが、出刃包丁は使うことが少なくなりました。

60cmを超える真鯛とかハマチとかを捌く時にたま~に使う感じ。

小出刃に限っては使う機会がありません。

骨スキ包丁

藤寅作骨スキ包丁

本来骨スキ包丁は、肉を捌く時に使われる包丁です。

刃渡りは140~180mm程度

刃先が直線で刃幅が広く厚みがあるため、骨や筋肉を切るのに適しています。

最近魚を捌く時に一番使うのがこの包丁。

具体的に何がいいかはお伝えづらいのですが

手に持った感じがしっくり来る。

出刃ほど重くなく少しコツがいりますが、扱いになれたら使いやすいです。

ペティナイフ

藤寅作ペティナイフ

本来ペティナイフは、小型の包丁でフルーツや野菜などの細かい作業に最適!

刃渡りは120~150mm程度

小型ながら万能で、とても使いやすい包丁。

真鯛なら50cmぐらいまでは捌けますし、アジ、サバなど捌く時にも使っています。

ペティナイフに関しては関連サイトで詳しく取り上げていますので興味のある方は⇒『包丁選びで迷ったらペティナイフ!素材はステンレス・刃渡りは15cmがおすすめ

牛刀包丁

藤寅作牛刀包丁

牛刀包丁は西洋の万能包丁で、刃渡りが長がいので、肉、魚、野菜など、幅広い食材を切ることに適しています。

刃渡りは180~270mm程度

サワラやハマチなど長くて身が柔らかい魚を捌くのには最適。

しかしながら誰でもが扱いやすい包丁では無いと思います。

三徳包丁

三徳包丁

一番ご家庭で使われている包丁で多いのが三徳包丁(万能包丁)

刃渡りは160~180mmcm程度

勿論この包丁1本でも、多くの魚を捌くことが可能です。

嫁さんは気にいって使っていましたが、今はペティナイフの方がお気に入りになったみたい。

万能であるが故に、すこし物足りなかったりします。

我が家では2軍落ち。




魚を捌く包丁の選び方と鋼材について

一口にステンレス包丁と言っても、代表的なもので銀三・V金10号・コバルト合金・モリブデンバナジウム鋼など様々な種類があります。

それぞれ特徴は

銀三

日本製の高級ステンレス包丁によく使われている鋼材。

切れ味が良く研ぎやすく、錆びにくいのが特徴です。

V金10号

銀三よりもさらに高級な鋼材。

切れ味が良く研ぎやすく、錆びにくいだけでなく、しなやかさも優れています。

コバルト合金

切れ味が良く研ぎやすく、錆びにくいだけでなく耐摩耗性にも優れている鋼材。

モリブデンバナジウム鋼

切れ味が良く研ぎやすく、錆びにくいだけでなく、しなやかさも優れています。

これらの鋼材は、価格や用途が異なるので一概にどれがいいとは言えず、予算や自分の好みに合わせて選んで下さい。

目安としては

切れ味を重視したい方は、銀三・V金10号

研ぎやすさを重視したい方は、銀三・モリブデンバナジウム鋼

錆びにくさを重視したい方は、銀三・コバルト合金

耐摩耗性を重視したい方は、コバルト合金

しなやかさを重視したい方は、モリブデンバナジウム鋼

となります。

私が魚を捌く時に適していると思う包丁の種類と刃渡りの長さは

小魚 ステンレス ペティナイフ 130mm前後

小魚~中型魚 ステンレス 骨スキ包丁 150mm前後

中型魚~大型魚 ステンレス 出刃 180mm前後

の順。

ではこれらの条件を踏まえて、初心者向けと一生物の包丁のオススメをご紹介致します。

初心者向けの手軽な魚捌き包丁

小魚 下村工業 カラー ペティナイフ 130mm

日本製!モリブデンバナジウム鋼!でアマゾンで1,099円とか安すぎ!

釣り用のナイフで使うのもアリ。

小魚~中型魚 藤次郎 骨スキ 150mm

こちらも日本製!モリブデンバナジウム鋼!でアマゾンで3,877円とか安い。

中型魚~大型魚 下村工業 ヴェルダン 出刃包丁 180mm

こちらも日本製!モリブデンバナジウム鋼!でアマゾンで4,895円とかヤバすぎ。

原材料高騰の中この値段で、厚みのある出刃を販売できるのは驚きです。

安価な日本製を条件に選びました。

これらの包丁の材質は全て医療用メスにも使われるモリブデンバナジウム鋼となっています。

これを買えば一生物の魚捌き包丁

小魚 藤寅作 ペティナイフ 120mm

ペティナイフは堺孝行 グランドシェフも使っていましたが、藤次郎の方がお気に入り。

グランドシェフペティナイフ

小魚~中型魚 藤寅作 骨スキ包丁 150mm

こちらの記事でも軽く骨スキ包丁には触れています⇒『鯛ラバ・船釣り・マダイ捌きがもっと快適になるグッズやアイテム12選

骨スキ包丁は⇒『津本式包丁を通販で注文しようか迷って「堺孝行」イノックス サバキ東型 15cmを買ってみた

を使っていましたが

こちらも魚を捌く機会が多い方には、衛生的な持ち手もオールスレンレス製がおすすめです。

中型魚~大型魚 藤寅作 出刃包丁 180mm

私は色々と検討をして、ほぼ全ての包丁をオールスレンレス製の藤寅作に買い替えました。

藤寅作の包丁はコバルト合金鋼割込と表記されていますが、V金10号(武生特殊鋼材株式会社)割込包丁となります。

そして最終的には「藤次郎」「藤寅作」で悩みましたが、調べたら同じ材料・製造でブランド名を分けているだけだったので、安価な「藤寅作」を選びました。

魚を捌くのは勿論、普段の料理にも使っていて楽しくなるそんな包丁。

たぶんこれを買い換えることは一生ないと思っているんですが…

「私が銀三 出刃包丁を買った理由」とか、いつの日かおすすめしているかもしれません。

ステンレス包丁が研げる砥石は必ず必要

ステンレス包丁は100円~1000円前後の安価な砥石では、研ぎにくく時間が掛かってしまいます。

購入する時には必ず簡単に刃が付く砥石も購入して下さい。

私のおすすめは『刃の黒幕』

刃の黒幕

切れる包丁=すぐに切れなくなる包丁

なのでどこまで仕上げるかは難しいのですが

はじめは1000番を一個

切れ味に満足が行かなければ追加で2000番を

購入してさらに切れる包丁に仕上げて下さい。

研ぎ方に関しては関連サイトで解説しています⇒『刃の黒幕正しい使い方研ぎ方 おすすめの組み合わせとは

松山市在住の方はコロナ禍で中止になっていた、水産市場開催の魚捌き教室が復活していますよ。

500円でマダイが捌けて料理を作って食事までできます。

興味のある方は⇒『松山市 魚料理・魚の捌き方教室(マダイの三枚おろし)のご紹介