自分が釣って締めて自宅で捌いて食べる真鯛の味は格別です。
釣りをされる方は魚を食べるのが好きな人も多いので魚を捌くのは当たり前ですが、日頃魚に触る機会が少ない方には敷居が高いもの事実。
真鯛はスーパーで切り身や柵でも購入できますが、手間はかかりますが丸々一匹の真鯛を購入された方がお得ですし数倍は美味しくなります。
慣れない内は上手に捌けなくても、3匹も捌けばコツも掴めてかなり上達します。
「真鯛の捌き方」
「三枚おろし」
「頭の割り方」
「刺身の切り方」
「皮霜造り」
これらのキーワードに興味を持ったれた方は、この機会にチャレンジしてみましょう!
魚屋・スーパーでの真鯛の選び方のコツ
一匹でマダイを購入する時の目利きのポイントは、色が鮮やかで背に斑点のあるものが新鮮な証拠です。
メスの場合は特に目の上が青いと鮮度が高い。
可能ならば脳天を締めた跡のある真鯛を選ぶ。
俗に昔から美味しい鯛の大きさを表す表現として「目の下一尺」と言われており40cm~50cm(1kg前後)のサイズを選ぶ。
丸々とした体高のある真鯛を選ぶ。
顔が大きい真鯛は美味しくないので選ばない。
顔が痩せているマダイは美味しくないので選ばない。
真鯛を下処理をする
今回使用した鱗取りは、
真鍮製の定番のウロコ取り器
鱗を取る際には注意が必要。真鯛は、ヒレが鋭くので、刺さると血が出ます。
慣れないうちは、はじめに、背ビレ・腹ビレをキッチンバサミで切ってから鱗を取るようにしましょう。
①鱗取りで両面しっかりと鱗を取る。
②アゴ部分にも鱗がついているので、残さずに取っておく。
③ヒレまわりへ包丁を入れやすくするため、包丁で鱗を取っておく。
④下アゴにくっついたエラを外す。包丁の刃先をエラぶたの中に入れ込み切り離す。
⑤頭の方にくっついている片方のエラも同じようにしてはずす。
⑥エラが切れたらそのまま包丁でエラをかき出す。
真鯛の三枚おろし
今回使用した出刃包丁・刺身包丁はステンレス製の3000円程度のもの!
真鯛を捌く包丁の入門用には適しています。
必ず、包丁は定期的に研いで使用して下さい。
画像は一人で撮影したため、少し分かりずらいと思いますが雰囲気を!
①頭を落とす。カマ下に包丁をたすき(斜めに入れること)に入れて頭を落とす。
②内臓をとり出すために腹に切れ目を入れていく。
③腹ビレから包丁を入れ、尾まで切れ目を入れる。
④背ビレから包丁を入れ、頭に向かって包丁を入れる。
⑤身と中骨を切り離す。
⑧裏面同様、身を裏返し、腹に包丁を入れ、尾の方から、切れ目を入れる。
⑥裏面同様、背に包丁を入れ、切れ目を入れる。
⑦身と中骨を切り離し、三枚おろし完成。
⑧中骨は、お吸い物などで使うため2等分か3等分に切り血合いを洗う。
真鯛の刺身の切り方・皮霜造りの作り方
①三枚におろした身から、腹骨をそぎ取る。
②中央にある血合い骨を腹側につけてサク取りする。
③腹側の血合い骨を取る。
④皮目を上におき、その上にキッチンペーパーをかける。(今回は上身のみ使用)
⑤キッチンペーパーの上から熱湯をかける。
⑥あらかじめ用意しておいた氷水にすぐさま身を入れ加熱を防ぐ。
⑦粗熱が取れたらキッチンペーパーでよく水気をふき取り、手前に引くような感じで切っていく。
⑨皮霜造り(湯霜造り)の完成!
真鯛の刺身・皮の引き方
皮霜造り①~③の工程を行い柵を取る。(今回は上身のみ使用)
①包丁を寝かねながら切れ込みを入れる。
②左手で身の切れ端を持ち、包丁はそのままの角度でまな板に付けたまま左手に力を加えて皮を引っ張る。
③手前に引くような感じで切っていく。
④お刺身の完成
皮霜造りと刺身を盛り付けると
マダイの頭(兜)の割り方
①左手で頭を押さえ、2本の前歯の間にしっかりと包丁の切っ先を入れる。
②そのまま包丁を下におろし、頭を縦に割る。
・硬い場合は、左手で包丁の背を押して切り離す。
・片刃包丁は左に力が逃げるので、やや右側に力を加えて切り離す。
※小さい真鯛は頭が柔らかいのでカマを2つに割らないまま頭を割っても簡単に割れますが、大きい真鯛は頭が硬いので先にカマを割っておくと、まな板の上で頭が安定してより安全です。
③カマを切り離す。
・カマが大きい場合は2つに切る。
④ヒレを包丁で叩くように切り離す。
兜煮などこのままでも構いませんが、頭が大きい場合は用途に合わせて頭を細かくしたい場合は
⑤目の上に斜めに切り込みを入れ、そのまま目の周りを切り離す。
⑥アゴなどを切り離し、使いやすい大きさに切り分ける。
⑦頭を捌く完成
なぜ自分が捌いた真鯛は美味しく感じるの?
色々な相乗効果によって、自分が捌いた真鯛の味は美味しく感じるようになりますし実際に旨い。
普段スーパーのパックで売られている真鯛の刺身は一部のお店を除き、通常まな板が水でビチャビチャの状態のまま刺身に切り分け盛り付けています。
そのため本来の真鯛の味ではなく、水っぽい刺身を食べていることになります。
また、刺身にする際には塩などで脱水してから熟成させた方が断然美味しくなりますが、これも自分で捌かなければ作ることができません。
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購入する際にも自分で捌くようになると、その分興味を持って美味しい真鯛を選ぶようになります。
捌くという行為は手間が掛ります。その分、残さずに綺麗に食べるようになります。
真鯛を捌くコツ
はじめは、30cm程度の真鯛が捌きやすくて頭も割りやすいです。
慣れない内は身がボロボロになったり皮が上手く引けなかったりしますが、それでも自分で捌いたマダイの味は格別です。
捌く時のコツとしては、何度も包丁でなぞって切るのではなく、包丁を入れる回数を少なくするよう心がけると綺麗な身に仕上がります。
鯛の皮を引く時には、乾燥している場合は上手に引くことのが難しくなるので、霧吹きやキッチンペーパーに水を含ませて皮を吹いてから皮を引くとスムーズに引けます。
出刃包丁が切れる状態なら、真鯛の頭も簡単に割ることが可能です。
頭・兜が硬くてなかなか割れない…とよく耳にしますが、出刃包丁をお持ちでないか、出刃包丁が切れなくなっているだけ!
出刃包丁をお持ちでない方は今回使ったステンレス製の出刃包丁は、価格も安く切れ味もイイのでオススメ!
いくら高価な出刃包丁を持っていても、研がなければ当然切れなくなります。
包丁を定期的に砥石で研いで使うのが、上手に魚を捌けるようになる近道!
包丁は安価なものを選ぶ代わりに、砥石は品質の良いものを選べば研ぐのも面倒ではなく楽しくなります。
あと真鯛を捌く場合は通常の樹脂製のまた板よりも、木のまな板の方が滑らないので捌きやすくなります。しかもちょっと大きいかな!?と思うぐらいのサイズが使い勝手がイイです。
天然真鯛は、同じような色・形をしていても1枚ずつ味が違い本当の味は捌くまでは分かりません。
真鯛を数枚釣り上げる機会があれば、何枚か捌いて食べ比べをしてみると面白いですよ。